「伝道者カード」とはこんなものです


「たかが紙切れ、されど紙切れ」

一枚の紙切れに人生を支配され翻弄させられる、エホバの証人の人生。
ここには、「奉仕活動」と呼ばれる、布教活動(ありていに言えば信者獲得のための活動)が毎月記録されていき、ど
こに引っ越そうが現役である限り死ぬまでずっと付いて回ります。
  
会衆の長老団や巡回監督などは、これを見て、その人の「霊性」や組織への「貢献度」を推し量ります。

悲喜こもごもが凝縮された「紙切れ」一枚。これにエホバの証人は精神的な支配を受けているのです。
  
ここで私の伝道者カード(正式には「伝道者の記録カード」と呼びますが慣例に従って通称の「伝道者カード」とここで
は呼ぶことにします)をご紹介します。

 エホバの証人の「伝道者カード」とは、こういう物です。



↑これは一般的な「伝道者カード」です。毎月提出する「奉仕報告」に従って会衆の書記が、一人一人の「カード」に
記入していきます。両面記録できるようになっていて、これ一枚で二年分の記録ができます。
「氏名」「郵便番号」「住所」「電話番号」「生年月日」「浸礼の日付」「油注がれた者かほかの羊か」の欄があります。
そして会衆の立場です。
月ごとに野外で配布した「書籍」「小冊子」「予約(これは雑誌の年間予約のことで現在はない)」「雑誌」の数。そして
野外奉仕に何時間費やしたかの「時間」、再訪問を何件したかの「再訪問」、ひと月に何件研究司会をしたかの「聖
書研究」の欄なども記録されていきます。





↑これは9.12.2.3.4.8月に補助開拓をしているカード。当時はひと月60時間働くことが求められていた。現在は50時
間になっている。




↑これは「正規開拓者」当時の伝道者カード。当時はひと月90時間、野外で働くことが求められていた。現在は年間
で800時間、ひと月70時間弱になる。時間が要求時間に達していないと、「備考欄」にその理由が書かれる。

エホバの証人はこの伝道者カードの「時間欄」にゼロ(0)がつかないように、即ち「不定期奉仕者」の烙印が押されな
いように、常に集会などを通して圧力をかけられています

これらの記録は月末に各会衆単位で集計されて海老名の支部事務所に送られます。それは「伝道者」「補助開拓
者」「正規開拓者」がそれぞれ何人で、各項目の合計が何時間とか、何冊とかという具合です。ですから、支部事務
所に全国のエホバの証人一人一人の名簿や活動の記録が大型コンピューターに記録管理されているわけではあり
ません。あくまで会衆単位の合計数しか把握していないということです。

よく「信者名簿」のことを聞かれるのですが、それは地元の会衆単位で作成されています。「宗教法人」あるいは法人
格を習得していなくてもいわゆる「みなし宗教法人」としての体裁を整えるために、各会衆では「信者名簿」を作成し、
その中から「代表役員」「責任役員」「監事」などの役職者を選出して書類を調えています。ですから、支部事務所が
末端信者までの個人情報を握っているわけではありませんが、ただし「排斥」とか「断絶」になると、その理由や審理
委員会の過程、氏名などの情報が送られて、支部事務所が管理することになるようです。
自然消滅だと、会衆によって異なってきますが、不活発になってから一年から二年くらい経過すると、信者名簿からも
外してくれるのではないでしょうか。

ともあれ、この「伝道者カード」の管理は会衆の「書記」が主に担当しますが、管理がずさんな人もいるようです。実際
ある書記の家では、茶の間のテーブルに無造作に放置していてその家の妻や子どもたちが見ていて色々と評価して
いるのを目撃したことがあります。もちろんきちんと管理している人もいるでしょう。どちらにしても、現役の証人でも見
たことのない人が多いと思いますが、自分のカードなら申し出れば見せてもらえるはずです。(もちろん他人のは見せ
てもらえません)。一体自分のカードがどのように付けられているのか、見られてもいいと思います。


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